会津の佐藤真也さんからのお便りです

曇天が続く中、コシヒカリが出穂を迎えています。

本日は8月15日。そして終戦記念日。正午には黙とうを捧げました。皆さんはそれぞれの故郷でお盆を迎えられていることと思います。そんな中、コシヒカリが出穂を迎えていますのでお便りいたします。

田植から約3カ月(8月10日位から)、天に向かって一斉に穂を出し開花です。

一つの穂でも、まず先端、次に基部から先端に向かって順に開花するので、全ての小花が受粉するまでに10間ほど要します。

この時間は結構長く、開花期の環境不良(高温、強風、大雨など)により受粉障害を受ける確率は決して小さくはありません。

また、出穂の2週間前には頴花分化~減数分裂期にあたり、この日に低温を受けてしまうと受粉能力が無くなってしまいます。東北地方の太平洋側に見られる「やませ」などの影響による障害型冷害はこのためです。

このことから、田んぼではこの時期は水を沢山張り、様々な天候障害から開花を守る準備をすすめます。

そして今年の出穂は、ちょっと気になる部分があります。早生系統の「ひとめぼれ」の出穂が遅れました。普段ですと会津ではコシヒカリよりも1週間早く(8月5日位で)出穂を迎えるはずが、今年はコシヒカリと同じで、一斉に出穂になっています。

品種の特性で「ひとめぼれ」は日照よりも気温が生育に大きな影響を与えるものですから、やはり平年よりも低温なのでしょう。確かに、梅雨明けしてから過ごしやすくなったなぁ、と思っていました。

今日も曇天、向こう1週間の予報も毎日傘マークがついています。心配です。

これからは登熟期に入ります。昼間はお天道様が1時間でも多く顔を出し、夜は気温が下がることで登熟が進みます。

台風が来ませんようにと、草刈と水管理の毎日を過ごして参ります。